記事一覧 2023
  • 「十五少年漂流記」の感想

    2023/09/10 in Blog

    ジュール・ヴェルヌ(著)「十五少年漂流記」を読みました。 翻訳は、椎名誠と渡辺葉の親子。 本書は、フランス語原文からの翻訳版らしい。 原題は「二年間の休暇(仏: Deux Ans de Vacances)」。 発行:2015年 十五少年漂流記 (新潮モダン・クラシックス) |Amazon おもしろかったです。 十五人の少年が船で無人島に漂着し、二年ほど生き延びて、無事帰還する話。 450ページ以上もあり、結構なボリュームだった。 子供向けの冒険小説だから、全訳版であっても短い物語だろうと思ってい …

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  • 「ライオンのおやつ」の感想

    2023/09/04 in Blog

    小川糸(著)「ライオンのおやつ」を読みました。 ライオンのおやつ|Amazon 泣いた。 まあまあ、おもしろかったです。 何をきっかけに、この本を知ったのだろうか。 たしかYouTubeチャンネルの「ほんタメ」だったような気がする。 それとも「王様のブランチ」だったか? 余命宣告された三十三歳女性が、瀬戸内海が見えるホスピス「ライオンの家」で最後のひと時をしあわせに過ごす話。 ハートフル終活もの。 文量はそれほど多くなく、読みやすいと感じる人も多いと思う。 二十代三十代の若い女性向けに作られた物 …

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  • 「超新星紀元」の感想

    2023/08/30 in Blog

    劉慈欣(著)「超新星紀元」を読みました。 超新星紀元|Amazon まあまあ、おもしろかったです。 ただし、オススメ度は三体シリーズの方が高い。 なので、本書を読む前に、先に三体だけ読めばいいと思う。 初の長編作品ということらしい。(厳密には未刊行の他作品があるらしい) 初期作品の時点でこのスケール感やダイナミックさと含蓄があれば、 そりゃ三体シリーズもでき上がるよね。 読んでいて、著者は後半の戦争ゲームを描きたかったのだろうと感じた。 あとがきに、夢でそういうシーンを見て執筆に至った、と書いて …

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  • 「火車」の感想

    2023/08/23 in Blog

    宮部みゆき(著)「火車」をよみました。 火車|Amazon おもしろかったです。 はじめて読む、宮部作品。 人間の心情描写がうまいなと思いました。男女ともに。 そのため、すごく安定感のある小説に感じた。 直前に新人賞の作品を読んだから、より一層差を感じるのかもしれない。 休職中の刑事が、他人になり変わろうとする女性を捜索する話。 クレジットカードローンをきっかけとする多重債務などをテーマとして扱っている。 今では広く認知されていそうなテーマだが、 三十年ほど前の当時では先進的なテーマだったのかも …

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  • 「鯉姫婚姻譚」の感想

    2023/08/18 in Blog

    藍銅ツバメ(著)「鯉姫婚姻譚」を読みました。 日本ファンタジーノベル大賞2021大賞受賞作品。 著者はゲンロン大森望SF創作講座の第4期受講生。 鯉姫婚姻譚|Amazon まあ、おもしろかったです。 なんていうかこう、若いのに上手いよねって感じ。 ただし、読み始める前のイメージと実際の中身はかなり違うものでした。 当初は主人公と鯉姫との婚姻の話を想定していたが、 実際は主人公が庭の人魚に「人と人でないものとの婚姻譚」をせがまれる話の連作。 そのため、長編小説という印象はかなり薄い。 どちらかとい …

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  • 「美亜へ贈る真珠」の感想

    2023/08/10 in Blog

    梶尾真治(著)「美亜へ贈る真珠」の感想。 美亜へ贈る真珠|Amazon おもしろかったです。 やや古風な感じもしたが、1970年〜80年代の作品もあるので仕方がない。 全体的に男性本位のSF小説という印象。 男性主人公と理想的な美女がセットで登場する作品が多いからだと思う。 「愛」と「時間」をテーマとしたSFなのだと思う。 女性の名前をそのまま題名に入れている作品が多い。 あらすじと短評 美亜へ贈る真珠 評価:まあ 最初に読んだときに、「美亜へ贈る真珠」の最後のシーンを勘違いしていた。 涙だとは …

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  • 「シャドウ」の感想

    2023/08/05 in Blog

    道尾秀介(著)「シャドウ」を読みました。 シャドウ|Amazon おもしろかったです。 とくにミスリードを誘う構成が巧みだなと思いました。 精神疾患をからめたどんでん返しミステリー。 誰の視点や発言が嘘や偽物なのだろうかと、疑いながら読みすすめた。 ミステリー小説はおもしろくするのが難しいジャンルだと思ってるので、 今まであまり読んだことがありませんでした。 これくらいのレベルの作品ならば、また読んでみたいです。 スポンサーリンク

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  • 「渚にて」の感想

    2023/08/01 in Blog

    ネヴィル・シュート(著)「渚にて」を読みました。 渚にて 人類最後の日 (創元SF文庫)|Amazon おもしろかったです。 第三次世界大戦が勃発して、核兵器が使用されて北半球が死滅した世界。 放射性物質が徐々に南下してくる。 そうした状況下のオーストラリアでの人びとを描く作品。 アメリカ海軍の潜水艦の艦長とオーストラリアの若い女性が主な登場人物。 「破滅」をテーマとした作品。 しかもそれは、第三者によって引き起こされた避けることのできない破滅。 序盤は、酒飲んで、海で遊んで、酒飲んで、牛の世話 …

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  • 「新しい世界を生きるための14のSF」の感想

    2023/07/26 in Blog

    伴名 練(編集)「新しい世界を生きるための14のSF」を読みました。 新しい世界を生きるための14のSF|Amazon ほぼすべておもしろかったです。 ただし、本が分厚いので紙の本だと腕がつかれます。。。 収録作品 八島游舷「Final Anchors」 斜線堂有紀「回樹」 murashit「点対」 宮西建礼「もしもぼくらが生まれていたら」 高橋文樹「あなたの空が見たくて」 蜂本みさ「冬眠世代」 芦沢央「九月某日の誓い」 夜来風音「大江戸しんぐらりてい」 黒石迩守「くすんだ言語」 天沢時生「ショ …

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  • 「ifの世界線 改変歴史SFアンソロジー」の感想

    2023/07/18 in Blog

    「ifの世界線 改変歴史SFアンソロジー」を読みました。 ifの世界線 改変歴史SFアンソロジー|Amazon おもしろかったです。 歴史の知識があれば、より楽しめただろうなぁ。 後半の3つがいいと思います。 とくに、斜線堂有紀「一一六二年のlovin’ life」がよかったです。 収録作品 石川宗生「うたう蜘蛛」 宮内悠介「パニック――一九六五年のSNS」 斜線堂有紀「一一六二年のlovin’ life」 小川一水「大江戸石廓突破仕留(おおえどいしのくるわをつきやぶりし …

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