「渚にて」の感想

ネヴィル・シュート(著)「渚にて」を読みました。

渚にて 人類最後の日 (創元SF文庫)|Amazon

おもしろかったです。

第三次世界大戦が勃発して、核兵器が使用されて北半球が死滅した世界。
放射性物質が徐々に南下してくる。
そうした状況下のオーストラリアでの人びとを描く作品。
アメリカ海軍の潜水艦の艦長とオーストラリアの若い女性が主な登場人物。

「破滅」をテーマとした作品。
しかもそれは、第三者によって引き起こされた避けることのできない破滅。

序盤は、酒飲んで、海で遊んで、酒飲んで、牛の世話したりして、だいぶのどかな雰囲気。
これは、何かしらどんでん返しがあって主要な登場人物の誰かは助かるのかしら。
と思ったが、最終的には全滅エンド。
破滅ものとしては、素朴な印象を受けた。
むしろ、古典としては素朴でいいのかもしれない。
こういう作品を踏まえた上での、「復活の日」とかが存在するのだろうし。

途中の潜水艦乗りで流行った「麻疹」について。
もしかしたら、実はこれが麻疹ではなく未知の感染症で、
全滅(もしくは全滅回避)のきっかけになるのかなと思いながら読んだ。
「復活の日」の影響でそう思ったのだろう。
(復活の日では、核兵器の影響で死に至るはずの感染症に対して耐性がつく)

もしかしたら、中盤からどこかの異星人が何かしら関与してくるかも。
実は、アメリカからの謎の通信もその異星人が送信しているのかなー?
とか読みながら予想してみたが、まったくそんなことはなかった。

レースのシーンは必要だったのだろうか。
ここだけあまり興味がなかった。
なぜだろうかと考えてみると、
急に艦長と女性を中心とした話ではなくなったから、かもしれない。
まあ、長編小説を読む中で、思い浮かべる情景が大きく切り替わったという意味では、気分転換としてはアリなのかも。

文庫の表紙には「渚にて 人類最後の日」というふうに記載されている。
こういう身も蓋もない副題のようなものはいらないな。
原題は「On the Beach」なのだから、素直に「渚にて」でいいじゃないか。


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