「地球外少年少女」の感想

アニメ「地球外少年少女」を見ました。
Netflixにて。

まあまあでした。
良作ではあるが、強くオススメするほどではないという感じ。

作画やSF描写は良いと思った。

一方で、気になる点もあった。
個人的に、主要な登場人物の年齢が低いと感じた。
そのせいで、いくつかのちぐはぐ感を感じた。

ひとつめ。
難解なSF描写や主人公たちの行動力のすごさに比べて、登場人物の年齢が低いので、ちぐはぐに感じた。
登場人物の設定年齢を低くしているのは、監督やスタッフの人たちがこの作品を十代前半の人にも見てほしいからなのだろうか。
それとも、「電脳コイル」の成功を引きずっているのか。
もしくは、それらの両方なのか。

ふたつめ。
登場人物の年齢設定が低いので、ギャグパートがおもしろいというより「幼い」と感じた。
最初の笑いの部分として、宇宙服の中に実はオムツを履いていて、かつ漏れそうというのがあったと思う。
この一番最初の笑いどころですら、「幼さ」が目立ってしまっていた。
「宇宙服の中にオムツ」というのは、宇宙ものでは定番のものだと思う。
一見オムツを履いていないはずの人が、実は履いていると開示することで、より大きなギャップを生むと思う。

みっつめ。
Netflixの主要な視聴者の年齢に比べて、登場人物の年齢が低いので、ちぐはぐに感じた。
このアニメを「誰が」「どこで」「どう見る」かは重要な要素だと思う。
Netflix利用者の主要な年齢層は、もう少し上の年齢だったのではないだろうか。
ある程度は配信サービスに寄せて企画したほうが、より話題になったと思う。
「梨泰院クラス」なんて、Netflixでの映像化に際し黒人ハーフの登場人物を追加するくらいだし。まぁそれが良いかどうかは別ではあるが。
NHK教育で「電脳コイル」を放送したときとは状況が違うので、思い切って登場人物のの年齢設定を17歳くらいにしてNetflixで挑戦したほうが良かったのではないかと思った。

年齢以外の要素でいうと、
「月生まれの子」や「ディーグルの未成年者宇宙体験キャンペーンの参加者」が日系人(?)に偏っていることの理由もよくわからなかった。
多様性があっても不思議じゃない状況なのに。
ほぼ全員が漢字の名前だなんて。
商業宇宙ステーション「あんしん」の管理者たちは、多様性があるのに。
なぜだったんだろう。
Netflixオリジナルアニメなら、なおさら不思議である。
繰り返すけど『NHK教育で「電脳コイル」を放送したときとは状況が違う』のよ。
こうしないといけない理由があったのだろうか。
世界に向けてアニメを制作するという意識が欠けているように見えてしまい、すこしもったいなく感じた。
「あんしん」が日本製だからという理由はありえるが、ちょっと無理筋だと思う。

アニメ「プラネテス」はこれらの不満点無く作成されたいいアニメだった。
本作を見た結果、年齢設定・「宇宙服の中にオムツ」・人種の多様性のどれに関しても、あらためて「プラネテス」はよくできていると感じた。
マンガ版もアニメ版も好き。見るべき作品だと思う。


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