「メアリと魔女の花」の感想

映画「メアリと魔女の花」を見ました。
制作:スタジオポノック
監督:米林宏昌
脚本:米林宏昌、坂口理子
公開:2017年
原作:メアリー・スチュアートの児童小説「The little broomstick」(英国1971年)

うーん、いまいちでした。
金曜ロードショーにて視聴。

いいところ。
ジブリ並みの一流のアニメーション。
話が完結しているところ。
ハッピーエンドであること。
興行収入が約33億円もあること。

気になったところ。
既視感にまみれたジブリっぽいシーンのツギハギ感。
面白みの無いカメラワーク。
ドキドキ感や緊迫感のないストーリー。
魔女の求める花の名が「夜間飛行」である意味。
などなど。

「既視感にまみれたジブリっぽいシーンのツギハギ感」について。
大叔母シャーロットと家政婦バンクスのシーンは、ほんと「魔女の宅急便」のニシンのパイのおばあさん達のよう。
主人公が猫を追いかけるシーンは、「耳をすませば」や「猫の恩返し」で見たことがありそう。
霧の森で木々が急速に成長するシーンは、「となりのトトロ」のよう。
主人公が箒で空を飛ぶシーンは、「魔女の宅急便」のよう。
大学で登場する科学者ドクター・デイは、「千と千尋の神隠し」の釜爺のようだった。
序盤は本当にツギハギ感にあふれていた。

「面白みの無いカメラワーク」について。
主人公がなにかに気づくとき、決まって正面から主人公を映していて、面白みや変化に乏しいなと感じた。
主人公が箒で空を飛ぶシーンは、「魔女の宅急便」のほうがドキドキ感やワクワク感があるとおもう。

「ドキドキ感や緊迫感のないストーリー」について。
物語が大きく動き出すのが、すごく遅い。
およそ開始30分を過ぎてから。
その後は、主人公が家と魔法大学を何度も行き来するだけ。
行き来できるのかー、って思った。
行き来が可能ならば、魔法が主人公の暮らす世界にもっと影響を与えていてもいいだろうに。
まるで別世界みたいな扱いに疑問は残った。

ストーリーの本筋に関わる登場人物が少なすぎる。
序盤に登場する大人たちは、中盤以降ほとんど出番がない。
主人公と悪役二人だけで話が進んでしまう。
だから、すごい小さな話に見えてしまった。

「魔女の求める花の名が『夜間飛行』である意味」について。
「夜間飛行」といえば、サン・テグジュペリの小説(1931年発行)のタイトルだ。
それと何かしらのシナジーがあるのかもしれない。
何度も「不時着」するところとかだろうか。
サン・テグジュペリといえば不時着のイメージがある。
(当時飛行機は今ほど安定した乗り物ではなかったので、不時着が多かった)
もしかしたら「夜間飛行」を読んだことがあるかもしれないが、残念ながらもう記憶がない。


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