「犬神家の一族」の感想

映画「犬神家の一族」を見ました。
1976年版。市村崑監督。石坂浩二主演。
原作は横溝正史の長編推理小説。
「金田一耕助シリーズ」のひとつ。

まあまあ、おもしろかったです。

ミステリーではよくあることだが、
登場人物が多すぎて、誰が誰だかよくわからなくなる。
ただし、一応覚えやすいような名前付けになってはいた。
松子、竹子、梅子とか。
一方で、その息子たちの名前は覚えにくかった。
佐清、佐武、佐智とか。

戦後の仄暗い感じが描かれていて、雰囲気があり良かった。

遺産相続について。
あの遺言状の内容だと、実際の法律に照らし合わせると遺留分に関して問題を指摘されそうだなと、見ながら思った。
ただ、そういう細けえこたあいいんだよ、とも思った。

佐清の顔全体を覆うマスクとか、
大股開きで逆さまになった死体のシーンとか、
他作品にも影響を与えている有名なルーツを見ることができてよかった。

ちなみに、うっすらとトリックは事前に知っていた。
犯人は知らなかったけれど。

「斧琴菊(よき・こと・きく)」という概念は知らなかった。
「良き事を聞く」の意を表すらしい。
着物の和柄にもあるらしい。
また、歌舞伎役者の尾上菊五郎家でよく使われる和柄であり、
作者はクレームが来ないか心配していたそうな。


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