「ラーゲリより愛を込めて」の感想

映画「ラーゲリより愛を込めて」を見ました。
監督:瀬々敬久
公開:2022年
原作:辺見じゅん『収容所(ラーゲリ)から来た遺書』

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感想

なかなか、おもしろかったです。
ただ、戦争ものということもあり、どう評価していいやら。
それに、感動ポルノ的である点も、どう評価していいやら。

いい点。
感動させる系映画でありながら、大きなストーリーの破綻がない点は良かった。
原作がノンフィクション作品という影響があるのかも。

うーんという点。
ひとつ目。北川景子さんの演技、もしくは演出に、違和感があった。
たとえば、
庭に出て泣き崩れるシーンとか。
庭で洗濯物の向こう側に、夫の幻影が見えるシーンとか。
見ていてうーんという感じだったし、ちょっと正直笑ってしまった。
そもそものキャスティングとして、妻役に北川景子というのは美しすぎたと思う。
ふたつ目。犬が船を追いかけて流氷の上を駆けてくるシーン。
これって本当に原作にあるのかなー、と思いながら観た。
どうなんだろう。
そういった「ここで感動してください」というシーンの数々を、全部真顔で観てしまう。
それらよりも、収容所での川での水浴びのシーンとか野球のシーンとかの方が良かったと感じた。

いくつか言葉を知ることができて、良かった。
帰国=ダモイ
収容所、キャンプ=ラーゲリ

最後のシーンで、2022年の長男の顕一を寺尾聰が演じている。
この配役の理由は、寺尾聰が1993年のテレビドラマで主人公の山本幡男役を演じていたからのようだ。

何がどうしてどうなった

1945年
山本幡男は、満鉄調査部に勤めて、妻と幼い子どもたちとハルビンで暮らしていた。

山本幡男は、ロシア軍の捕虜となり、ハバロフスクの収容所(ラーゲリ)で過酷な強制労働をさせられる。

・帰国途中に下車させられて別の収容所に入れられる
・違法裁判される
・違法裁判を受けた理由が、旧知の仲間の偽証によるものだと知る
・社会主義を賛美する一派がいる。そうすれば帰国できるかもしれないから。
・収容所内で野球などする
いろいろなことがある

1954年
山本幡男は、仲間を励ますものの、自身が体調を崩してしまう。

仲間たちは、山本幡男を大病院で診てもらうために、ストライキを実行する。

山本幡男は、大病院にて末期の咽頭癌と診断され、余命三ヶ月と宣告される。

山本幡男は、旧知の仲間に勧められて、遺書を書く。

遺書は、ロシア軍に没収されてしまう。

1956年~1957年
ようやく日本に帰還した仲間たちが、一人また一人と山本家を訪れる。

仲間たちは、遺書が没収されることを想定し、山本幡男の遺書を分割して記憶していたのだった。

2022年
長男・顕一は、かつて家族が揃って出席したハルビンでの楽しい結婚式の様子を思い浮かべて、孫娘の結婚式に参列した。


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