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「白い犬とワルツを」の感想
2023/09/16 in Blog
テリー・ケイ(著)「白い犬とワルツを」を読みました。 まあまあでした。 妻を亡くした老人が、ふらりと現れた白い犬と交流したり、たくさんいる子供たちに犬の幻覚を見ているなどと心配されたり、白い犬と一緒にオンボロなトラックに乗って同窓会に行こうとしたりして、最終的に往生する話。 この本を読んだ理由について。 だいぶ昔にこの小説を読んだことがある気がする。 今はもうなくなった行きつけの本屋にて、白い犬の大きな頭と木がオレンジ色の背景に描かれた文庫版の表紙がとても目立っていたことを覚えている。 かなり …
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「十五少年漂流記」の感想
2023/09/10 in Blog
ジュール・ヴェルヌ(著)「十五少年漂流記」を読みました。 翻訳は、椎名誠と渡辺葉の親子。 本書は、フランス語原文からの翻訳版らしい。 原題は「二年間の休暇(仏: Deux Ans de Vacances)」。 おもしろかったです。 十五人の少年が船で無人島に漂着し、二年ほど生き延びて、無事帰還する話。 450ページ以上もあり、結構なボリュームだった。 子供向けの冒険小説だから、全訳版であっても短い物語だろうと思っていたので、意外だった。 それに、もっと漂流の帰還が短いと思っていた。 動物や自然や …
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「ライオンのおやつ」の感想
2023/09/04 in Blog
小川糸(著)「ライオンのおやつ」を読みました。 泣いた。 まあまあ、おもしろかったです。 何をきっかけに、この本を知ったのだろうか。 たしかYouTubeチャンネルの「ほんタメ」だったような気がする。 それとも「王様のブランチ」だったか? 余命宣告された三十三歳女性が、瀬戸内海が見えるホスピス「ライオンの家」で最後のひと時をしあわせに過ごす話。 ハートフル終活もの。 文量はそれほど多くなく、読みやすいと感じる人も多いと思う。 二十代三十代の若い女性向けに作られた物語の主人公、 ストレスフルな都会 …
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「超新星紀元」の感想
2023/08/30 in Blog
劉慈欣(著)「超新星紀元」を読みました。 まあまあ、おもしろかったです。 ただし、オススメ度は三体シリーズの方が高い。 なので、本書を読む前に、先に三体だけ読めばいいと思う。 初の長編作品ということらしい。(厳密には未刊行の他作品があるらしい) 初期作品の時点でこのスケール感やダイナミックさと含蓄があれば、 そりゃ三体シリーズもでき上がるよね。 読んでいて、著者は後半の戦争ゲームを描きたかったのだろうと感じた。 あとがきに、夢でそういうシーンを見て執筆に至った、と書いてあり、やっぱりなと思った。 …
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「鯉姫婚姻譚」の感想
2023/08/18 in Blog
藍銅ツバメ(著)「鯉姫婚姻譚」を読みました。 日本ファンタジーノベル大賞2021大賞受賞作品。 著者はゲンロン大森望SF創作講座の第4期受講生。 まあ、おもしろかったです。 なんていうかこう、若いのに上手いよねって感じ。 ただし、読み始める前のイメージと実際の中身はかなり違うものでした。 当初は主人公と鯉姫との婚姻の話を想定していたが、 実際は主人公が庭の人魚に「人と人でないものとの婚姻譚」をせがまれる話の連作。 そのため、長編小説という印象はかなり薄い。 どちらかというと民話集みたいな感じ。 …
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「美亜へ贈る真珠」の感想
2023/08/10 in Blog
梶尾真治(著)「美亜へ贈る真珠」の感想。 おもしろかったです。 やや古風な感じもしたが、1970年〜80年代の作品もあるので仕方がない。 全体的に男性本位のSF小説という印象。 男性主人公と理想的な美女がセットで登場する作品が多いからだと思う。 「愛」と「時間」をテーマとしたSFなのだと思う。 女性の名前をそのまま題名に入れている作品が多い。 あらすじと短評 美亜へ贈る真珠 評価:まあ 最初に読んだときに、「美亜へ贈る真珠」の最後のシーンを勘違いしていた。 涙だとはわからなかったのです。 だか …
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「新しい世界を生きるための14のSF」の感想
2023/07/26 in Blog
伴名 練(編集)「新しい世界を生きるための14のSF」を読みました。 ほぼすべておもしろかったです。 ただし、本が分厚いので紙の本だと腕がつかれます。。。 収録作品 八島游舷「Final Anchors」 斜線堂有紀「回樹」 murashit「点対」 宮西建礼「もしもぼくらが生まれていたら」 高橋文樹「あなたの空が見たくて」 蜂本みさ「冬眠世代」 芦沢央「九月某日の誓い」 夜来風音「大江戸しんぐらりてい」 黒石迩守「くすんだ言語」 天沢時生「ショッピング・エクスプロージョン」 佐伯真洋「青い瞳が …