Blog
-
「鯉姫婚姻譚」の感想
2023/08/18 in Blog
藍銅ツバメ(著)「鯉姫婚姻譚」を読みました。 日本ファンタジーノベル大賞2021大賞受賞作品。 著者はゲンロン大森望SF創作講座の第4期受講生。 鯉姫婚姻譚|Amazon まあ、おもしろかったです。 なんていうかこう、若いのに上手いよねって感じ。 ただし、読み始める前のイメージと実際の中身はかなり違うものでした。 当初は主人公と鯉姫との婚姻の話を想定していたが、 実際は主人公が庭の人魚に「人と人でないものとの婚姻譚」をせがまれる話の連作。 そのため、長編小説という印象はかなり薄い。 どちらかとい …
-
「美亜へ贈る真珠」の感想
2023/08/10 in Blog
梶尾真治(著)「美亜へ贈る真珠」の感想。 美亜へ贈る真珠|Amazon おもしろかったです。 やや古風な感じもしたが、1970年〜80年代の作品もあるので仕方がない。 全体的に男性本位のSF小説という印象。 男性主人公と理想的な美女がセットで登場する作品が多いからだと思う。 「愛」と「時間」をテーマとしたSFなのだと思う。 女性の名前をそのまま題名に入れている作品が多い。 あらすじと短評 美亜へ贈る真珠 評価:まあ 最初に読んだときに、「美亜へ贈る真珠」の最後のシーンを勘違いしていた。 涙だとは …
-
「新しい世界を生きるための14のSF」の感想
2023/07/26 in Blog
伴名 練(編集)「新しい世界を生きるための14のSF」を読みました。 新しい世界を生きるための14のSF|Amazon ほぼすべておもしろかったです。 ただし、本が分厚いので紙の本だと腕がつかれます。。。 収録作品 八島游舷「Final Anchors」 斜線堂有紀「回樹」 murashit「点対」 宮西建礼「もしもぼくらが生まれていたら」 高橋文樹「あなたの空が見たくて」 蜂本みさ「冬眠世代」 芦沢央「九月某日の誓い」 夜来風音「大江戸しんぐらりてい」 黒石迩守「くすんだ言語」 天沢時生「ショ …
-
「ifの世界線 改変歴史SFアンソロジー」の感想
2023/07/18 in Blog
「ifの世界線 改変歴史SFアンソロジー」を読みました。 ifの世界線 改変歴史SFアンソロジー|Amazon おもしろかったです。 歴史の知識があれば、より楽しめただろうなぁ。 後半の3つがいいと思います。 とくに、斜線堂有紀「一一六二年のlovin’ life」がよかったです。 収録作品 石川宗生「うたう蜘蛛」 宮内悠介「パニック――一九六五年のSNS」 斜線堂有紀「一一六二年のlovin’ life」 小川一水「大江戸石廓突破仕留(おおえどいしのくるわをつきやぶりし …
-
「歓喜の歌 博物館惑星Ⅲ」の感想
2023/07/13 in Blog
菅 浩江(著)「歓喜の歌 博物館惑星Ⅲ」を読みました。 歓喜の歌 博物館惑星Ⅲ|Amazon おもしろかったです。 まさに大団円。 健の抱えていたものも解消され、 ラブコメ要素も供給される。 二巻でためていたものが、すべて開放される三巻。 ここまで読んできてよかったなと思わせてくれる作品。 些細ではあるが気になったこと。 それは、発生するトラブルの内容の多くが犯罪関係になってしまったところ。 二巻以降自警団員が主人公となったことで、必然ではある。 だが、博物館惑星シリーズの良さは、犯罪とはまた違 …
-
「不見の月 博物館惑星Ⅱ」の感想
2023/07/09 in Blog
菅 浩江(著)「不見の月 博物館惑星Ⅱ」を読みました。 不見の月 博物館惑星Ⅱ|Amazon おもしろかったです。 前作があまりに綺麗に終わってしまっていたので、どうやって続編を書くのかと思っていました。 新キャラを追加することで対応して、納得。 新人自警団員・兵藤健、<アポロン>の尚美・シャハム。 彼らのラブコメがもっと増量されていても、個人的にはよかった。 三巻目に期待か。 この二巻で健の抱えているものが解消されるのかと思ったが、 どうやら三巻に続いていくらしい。 こういうやさしい雰囲気 …
-
「おやすみプンプン」の感想
2023/07/08 in Blog
浅野いにお(著)「おやすみプンプン」を読みました。 ビッコミ(ビッグコミックス)にて、2023/07/07に全話無料公開されていたので、一日で読みました。 なお、大好評につき無料期間が延長されたらしい。 おもしろい…のか、これは。 というよりも、運命の女性・生死・愛といったテーマを扱った鬱々とした展開が、読む人の心に刺さるのだろう。 おやすみプンプン自体が実は南条幸の創作物であるという考察を見て、 まあたしかにそうだろうなとは思う。 しかし、ペガサス合奏団が一体なんなのかはよく分からなかった。 …
-
「永遠の森 博物館惑星」の感想
2023/07/01 in Blog
菅 浩江(著)「永遠の森 博物館惑星」をよみました。 地球と月の重力均衡点に浮かぶ小惑星の巨大博物館<アフロディーテ>を舞台とした学芸員の話。 第54回日本推理作家協会賞長編および連作短編集部門と第32回星雲賞日本長編部門を受賞。 永遠の森 博物館惑星|Amazon おもしろかったです。 博物館の学芸員を主人公とした、やさしい雰囲気のお仕事ものSF作品。 ミステリや推理ものっぽさもある。 短編の連作だが、この一巻で「綺麗」に終わる構成になっている。 とても丁寧に作り込まれた見事な作品。 たいした …