「ベストSF2022」の感想
大森 望(編集)「ベストSF2022」を読みました。
おもしろかったです。
いちばんのお目当ては、伴名練の「百年文通」。
収録作品
- 酉島伝法「もふとん」
- 吉羽善「或ルチュパカブラ」
- 溝渕久美子「神の豚」
- 高木ケイ「進化し損ねた猿たち」
- 津原泰水「カタル、ハナル、キユ」
- 十三不塔「絶笑世界」
- 円城塔「墓の書」
- 鈴木一平+山本浩貴(いぬのせなか座)「無断と土」
- 坂崎かおる「電信柱より」
- 伴名練「百年文通」
あらすじと短評
酉島伝法「もふとん」
もふもふした「膚団」のはなし。
評価:よい
他の酉島作品は独自の熟語が錯綜して非常に読みづらいが、この作品は読みやすかった。
吉羽善「或ルチュパカブラ」
酒蔵に現れたチュパカブラのはなし。
評価:まあまあ
溝渕久美子「神の豚」
台湾で暮らす主人公の長兄が行方不明になり、かわりに豚が家にいたはなし。
評価:いいとおもう
SFっぽくはないが、文章はよいかんじだとおもった。
高木ケイ「進化し損ねた猿たち」
太平洋戦争のボルネオ島での、人間と猿のはなし。
評価:うーん
津原泰水「カタル、ハナル、キユ」
ハナル国の伝統音楽イムを核とした異文化SF。
評価:いいとおもう
十三不塔「絶笑世界」
笑死する流行り病を、うだつの上がらない漫才コンビが救うはなし。
評価:いいとおもう
文章はちょっとはっちゃけているというか、若い感じがする。
円城塔「墓の書」
作中人物の墓のはなし。
評価:うーん
あいかわらず難しくよくわからない。
ただ、この人にしか書けないものだと思う。
鈴木一平+山本浩貴(いぬのせなか座)「無断と土」
架空のVRホラーゲームや天皇や天皇制についてかたる論文形式のはなし。
評価:うーん
なんで評価されているのか、よくわからない。
いわゆる異常論文にも興味がないし、登場するVRゲームにも興味がないし、天皇や天皇制に関する部分にも興味がない。
ぱらぱらとめくるだけで飛ばした。
坂崎かおる「電信柱より」
電信柱に恋をする女性のはなし。
評価:いいとおもう
伴名練「百年文通」
百年前の大正を生きる少女と、不思議な机を通じて、文通する少女のはなし。
流行り病を絡めて、予想外の結末にたどり着く。
評価:すばらしい
あいかわらず、伴名練は天才。
元ネタであるジャック フィニイの「愛の手紙」も読んでみたいと思いました。
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