「べストSF2020」の感想
大森 望(編集)「べストSF2020」を読みました。
おもしろかったです。
収録作品
- 円城塔「歌束」
- 岸本佐知子「年金生活」
- オキシタケヒコ「平林君と魚の裔」
- 草上仁「トビンメの木陰」
- 高山羽根子「あざらしが丘」
- 片瀬二郎「ミサイルマン」
- 石川宗生「恥辱」
- 空木春宵「地獄を縫い取る」
- 草野原々「断φ圧縮」
- 陸秋槎「色のない緑」
- 飛浩隆「鎭子」
あらすじと短評
円城塔「歌束」
和歌に湯を通して、淹れる話。
評価:うーん
あいかわらず高度で、よくわからない。
いつも日本語の文字遊び短編を書いている印象。
ただ、この人にしか書けないものだと思う。
岸本佐知子「年金生活」
荒廃した日本で、ある日老夫婦に政府から<ねんきん>が届く話。
評価:まあまあ
オキシタケヒコ「平林君と魚の裔」
高度な異星文明による《銀河通商網》との出会いを果たした地球を舞台に、
人類一の富豪にして凄腕の商人の少女のアルバイトの募集に、底生生物の研究者が応募する話。
評価:いい
底生生物の待つものの生き方や魚の末裔の泳ぐものの生き方などの種の根源が、宇宙の仕組みに繋がるのはおもしろかった。
読んでいて、ラノベっぽさを感じる。
草上仁「トビンメの木陰」
版図を広げるために、食べたものに特別な力を与える赤い実をつける、トビンメという植物にまつわる話。
評価:まあまあ
高山羽根子「あざらしが丘」
捕鯨をするアイドルの話。
評価:まあまあ
なぜ捕鯨なのかとおもったら、「あざらしが丘」と「アイドルもの」というお題を与えられたかららしい。
片瀬二郎「ミサイルマン」
発展途上国でミサイルマン化された、日本で働く外国人労働者の話。
評価:うーん
秋山瑞人の「おれはミサイル」のほうが好き。
石川宗生「恥辱」
ノアの方舟をモチーフとした話。
評価:うーん
よくわからない。
空木春宵「地獄を縫い取る」
異常性愛者を地獄に堕とすために、美少女AIを開発するひとたちの話。
評価:いい
草野原々「断φ圧縮」
カルノーサイクルをテーマにしたSF短編。
評価:うーん
陸秋槎「色のない緑」
AIによって世の中にブラックボックスが増えたり人間が仕事を奪われたりする世界での、百合SF。
評価:いい
飛浩隆「鎭子」
「2010年代SF傑作選1」の「海の指」に登場する世界を内包した話。
評価:まあまあ、うーん
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