「きみの色」の感想
「きみの色」を観ました。
公開:2024年(日本)
上映時間:100分
監督:山田尚子
脚本:吉田玲子
うーん、まあまあ。
きれいな作画とかを除くと、かなりイマイチ寄り。
キリスト教系の女子校で寮ぐらしの日暮トツ子は、人の「色」が見える。
そんなトツ子は、同級生の作永きみのことがきになっていた。
ある日、きみが学校をやめたことを知る。
古書店で働くきみと、男子高校生の影平ルイと、バンドを結成することになる。
「きみの色」というなタイトルでありながら、別に主人公ときみちゃんとの話で決着するわけでもないのかー、と思った。
百合に振り切るわけでもなく、様々な点で勿体なさや違和感を感じる作品でした。
良い点。
美しい作画。
とくに、バレエ。
やわらかくて、やさしい登場人物たちや雰囲気。
気になった点。
主人公の人の「色」を認識できる能力、要らない説。
能力があるのはいいのだけれど、ほぼ機能していない。
画面を色鮮やかに演出するなら、ただ単純にそうすればいいだけ。
その能力でしかできないことを、物語中でして欲しかった。
それが出来ないなら、不要だった。
音量バランスが変だと思う。
セリフが小さすぎて、演奏が大きすぎる。
最序盤で主人公の好感度が上がりにくく、結果的に導入に失敗している。
複数の要因があると思う。
・『主人公の「色」認識の説明→きみちゃんのことが気になる→きみちゃん退学』という流れ。
結果、主人公のこと観客が好きになる前に、主人公が周りと違う変な行動をしている。
具体的な変な行動:同じ寮室の3人に向かって、名前ではなく「森の三姉妹」呼ばわりする。など
相手を色として見るが人として見てない主人公・自分の認識やレッテルを相手に押し付けている主人公、として伝わる可能性がある。
これが致命的で、勿体ないなとおもった。
言われた3人も困惑してた。
主人公の人の「色」が見える能力の説明とか、周りと違う不思議な子というのを伝えたいのは、わかるけど。
主人公の特性の説明の時間を削り、その分主人公に好感をもてる作りにしたほうが良かった。
作永きみが退学すること自体に納得感がない。
・まず退学は保護者の同意が必要なのでは?
だから「保護者にまだ退学のことを言えていない」というのが、違和感として残った。
・勝手に退学できるような人間なら、保護者に言うことに怖気づかないのでは?
最初、保護者との間に特別な確執があるのかと思った。
けれど、全く無かった。
「言い出せなくてごめん」の一言で片付いた時は正直何これと思った。
確執のひとつもあってほしい。
・主人公が寮生活なのにほぼ自由に外出できてバンド練習も十分できるなら、作永きみが退学する必要性ない
主人公が学校にがんじがらめなら、納得感は多少かもしれない。
しかし、そうでなかった。
主人公と同じように音楽活動すれば良くないか?と思わずにいられない。
・音楽に対する本気度も感じない
退学したけれど、古書店で働きながら、ゆるく音楽やっている。
学校と音楽とのトレードオフで、音楽を選んだ人間の覚悟みたいなものは感じ無かった。
まじでなんで学校辞めたん。
影平ルイが、女子高生ふたりに飛びついて抱きつく点。
意図的に男性感を極限まで脱色されたビジュアルも相まって、見ていて遠い目になった。
つまり、男子高校生らしい行動には見えなかったということ。