「幸せのレシピ」の感想
「幸せのレシピ」を観ました。
原題: No Reservations
公開:2007年(アメリカ)
上映時間:104分
原作:2001年のドイツ映画『マーサの幸せレシピ』のリメイク作品
うーん、まあまあ。
部分的にイマイチでした。
マンハッタンの高級の料理長のケイトは、完璧主義者で腕は良いがコミュニケーションに難があり、オーナーの指示でセラピーを受けている。
彼女は、姉を交通事故で喪った姪ゾーイを引き取ることになる。
オーナーに一週間の休暇を命じられるも、店の様子を見に行くと後任の副料理長ニックが陽気に働いていた。
いろいろと勿体ないところがある映画だったと思う。
素材は悪くないのに、処理に問題がある的な感じ。
むしろ、リメイク元の『マーサの幸せレシピ』の出来が気になる。
良い点。
料理がおいしそうで、お腹が空いてくる。
最後の結末は、観客が望むであろう形。
王道で良かった。
気になった点。
主要登場人物たちを好きになるタイミングが無い。
主人公は客にツラく当たるし、最後まで変わらない。
終盤はちょっとでも良い変化や人間としての成長があるのかなと思いきや、あんまり無い。
注文の多い客に、生肉を机に叩きつけて、離職する。
姪のゾーイは母親を亡くしているとはいえ、だいぶ面倒くさいムーブをする
だから、可愛げが無く見えてしまう。
主人公のつくってくれた料理に手もつけない。
代案としては、「がんばって少しだけでも食べてみようとする、けれど心が受け付けなくて、結局無理で喉を通らない」という流れだったら、まだわかるし可愛げもある。
オーナーも料理長をセラピーに行く命令を出してて、すぐには好きになれない。
姪のゾーイがニックに対しては、すーぐ打ち解ける。
そういう役回りなので、仕方ないと言えば仕方ないのだが。
主人公に対してはあんな態度だったのに、と思ってしまう。
主人公が男のどこに惚れたのかが良くわからない。
黒トリュフを捨てるシーン。
捨てたものを元に戻したことが、衛生的に気になる。
代案としては、「ゾーイは高級と知らずに黒トリュフを捨てようとするけれど、ぎりぎりのところでケイトが止める」とかであれば、より良いと思う。
飲酒運転みたいなシーンがある。
終盤、ケイトとニックとふたりでワインを飲んだ後、車から降りる場面がある。
見間違えかな?
主人公の心の成長を描いているというよりも、ただ男が出来て変わったようにしか見えない。
作品内に「叔母と姪」という構図を持ちながら、姪が叔母と男との仲を取り持つ役割しか果たしていない。
叔母と姪がモノポリーで打ち解けるシーンも、取ってつけたようで、チグハグに感じた。
この作品はそのシーンを描くための映画でしたか?違いますよね?
料理モノであれば、料理かそれに準ずるなにかで打ち解ける方が良いと思った。
それに相当するのがニックとゾーイでピザをつくったシーンで、そのときケイトは調理に参加せず蚊帳の外気味だった。三人で作りなよ。
「叔母と姪」と「叔母と恋人」のどちらもが中途半端な感じ。