「夏期限定トロピカルパフェ事件」の感想
「夏期限定トロピカルパフェ事件」を読みました。
作者:米澤穂信
発行:2006年
まあまあおもしろかったです。
前作「春期限定いちごタルト事件」から1年後、高校二年生の夏の常悟朗と小佐内さんの話。
前作に比べて、作中で扱う犯罪の凶悪度が上がっている点がやや気になる。
小佐内さんの罪状ランクアップ作戦によって誘拐・略取が発生し、さらには直接的な暴力沙汰になっている。
個人的には、前作ような「おいしいココアの作り方」や今作の「シャルロットだけはぼくのもの」みたいな平和な謎解き路線とのギャップがすごく大きい気がする。
本作で振り落とされる読者は一定数いそう。
ここからどういう展開になるのかが気になる。
収録作品・内容
- まるで綿菓子のよう
7月の縁日の祭りで小佐内さんと出会い、狐の面を被ってわたあめを食べる彼女と歩く。 - シャルロットだけはぼくのもの 初出:『ミステリーズ!』vol.13
小佐内さんにマンゴープリン2つとシャルロット4つの買い出しを頼まれて、シャルロット3つしか買えず、旨すぎて小佐内さんの分のシャルロットにまで手を出してしまい、見返りに夏休みのスイーツ巡り〈小佐内スイーツセレクション・夏〉に付き合うことになる。 - シェイク・ハーフ 初出:『ミステリーズ!』vol.14
ハンバーガー店で健吾と会い、彼の残した「半」のメモの謎を小佐内さんと解き明かす。 - 激辛大盛
ラーメン店<金竜>で、健吾から川俣さなえを不良グループから足抜けさせようとして「邪魔だ」と言われた泣き言を聞き、激辛タンメンを食べる。 - おいで、キャンディーをあげる
不良グループに誘拐・略取された小佐内さんを、スイーツ巡り〈小佐内スイーツセレクション・夏〉で培った知識を使い、救出する。 - スイート・メモリー
不良グループに誘拐されるように仕向けていたのは、誘拐された小佐内さん本人だった。互恵関係を解消する。
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