「夏へのトンネル、さよならの出口」の感想
映画「夏へのトンネル、さよならの出口」を見ました。
原作は八目迷のライトノベル。
略称は「夏トン」。
まあまあ、おもしろかったです。
Rebuild.fmの367話にて、話題に挙がっていたので視聴しました。
中に入ると欲しいものが手に入る「ウラシマトンネル」。
その中は周りの時間とは別の時間が流れていて…という話。
よくある夏の田舎を舞台にしたボーイミーツガールSFものかなと思って見始めたら、他の作品と比べると、若干冒頭に暴力的なシーンがあるなと感じた。若干ね。
よくある夏の田舎を舞台にしたボーイミーツガールSFもの的な要素は色々と含んでいるものの、全体的にややチグハグな印象を受けた。
いや、こういうのが好きな人は好きだとは思うんだけれど。
人によっては、納得感がないまま視聴を終えるだろう。
主人公男子と父親との関係性に、納得感が薄い。妹の死によって、そこまで都合よく家庭が壊れるかな。
主人公女子の望みが、「ウラシマトンネル」のリスクに対してだいぶ弱すぎる。
良かったシーンは、主人公男女が共同戦線を結成し「ウラシマトンネル」を解明しようとするところ。
調べてみると、映画「インターステラー」に影響を受けたとある。
ただし、系譜というには、あらすじは別物という印象。
むしろ、アニメ映画である点も含めて「ほしのこえ」にだいぶ近い感じ。
「高校生くらいの男女が、時差に引き裂かれながらも、電子メールで通じ合う」というあらすじだけ見れば、まんま「ほしのこえ」だろう。
時差に引き裂かれる仕組みも異なる。
本作は「ウラシマトンネル」というファンタジーを持ち出しているのに対して、
「ほしのこえ」や「インターステラー」は宇宙を舞台に「ウラシマ効果」や「相対性理論」を扱っている。
扱うギミックの違いが、それぞれの作品の骨太感の違いにつながっていると思う。
まあ、本作は原作がライトノベルなので、仕方がないだろう。
いろいろな要素をかみくだいて、対象とする媒体に合わせてカスタマイズした結果かもしれないし。
タイトルの「夏へのトンネル、さよならの出口」は、「イリヤの空、UFOの夏」に似ているような気がする。「夏への扉」っぽさもある。
第13回小学館ライトノベル大賞にて「僕がウラシマトンネルを抜ける時」のタイトルでガガガ賞および審査員特別賞を受賞した後に、改題されたらしい。
改題後のタイトルに「イリヤ」の遺伝子を少し感じる。
色々と文句みたいなものを書いてしまっているが、
「ほしのこえ」から二十年以上経過しているので、
こういう作品が出てきてもいいとは思っている。
公式Webサイト
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