「夜は短し歩けよ乙女」の感想
森見 登美彦 (著)「夜は短し歩けよ乙女」を読みました。
再読。面白かったです。
気にならないこと、気になることについて。
まずは、気にならないこと。
独特な文体である点は、気になる人はいそう。
個人的には、おもしろみがあって良いとは思います。
「黒髪の乙女のような純朴な女性は、現実にはいないだろう」と思うひともいそう。
個人的には、それも含めてファンタジー小説として楽しんで読めばよいのかなと思います。
次に、気になること。
小説中に、京都の地名がいっぱい出てきます。
京都を舞台にした小説にありがちなことですが、これは個人的には気になってしまいます。
その地名や場所がわかっていればよいのですが、わからないとなんだか損しているような気がしてしまって。
京都を舞台にした小説はどれも、もりもりと京都の地名を盛り込む印象があるので、毎回気になっていまいます。
もし機会があれば、著者の別作品である「四畳半神話大系」も読んでみたいと思います。
以下ネタバレ。
完読後に内容を思い出しながらあらすじを書くことで、
記憶に定着しやすい気がするので書いています。
備忘録的あらすじ
「なるべく彼女の目にとまる」通称「ナカメ作戦」を遂行する大学の『先輩』とクラブの後輩の『黒髪の乙女』のお話。
第一章 夜は短し歩けよ乙女
春の夜の先斗町での話。
結婚祝いに始まり、タダ酒飲み会や歓送会と還暦祝いを経由し、
最終的には李白と黒髪の乙女との偽電気ブランの飲み比べ対決をする。
第二章 深海魚たち
夏の古本市の話。
李白の所有する古書を手に入れるために、参加者同士で炬燵で火鍋食べ対決をする。
最終的には、古本市の神が古書を開放する。
彼女がかつて所有していた絵本「ラ・タ・タ・タム」を絵本コーナーで見つけ、二人で同時に手を伸ばし、先輩が黒髪の乙女に譲る。
第三章 御都合主義者かく語りき
秋の学園祭の話。
人をコタツに誘って鍋を振る舞う「韋駄天コタツ」とゲリラ劇「偏屈王」が、学園祭を騒がす。
最終的には、先輩が偏屈王役を、黒髪の乙女がプリンセス・ダルマ役を演じ、二人抱き合う。
一方、パンツ総番長と象の尻の女性が、再会を果たす。
第四章 魔風邪恋風邪
冬の風邪の話。
京都中の人々に風邪が感染する。
黒髪の乙女がこれまで縁のあった人々に、お見舞いに行く。一方、先輩も風邪をひく。
最終的には、ジュンパイロ(潤肺露)を食べることにより、李白の中に居座っていた風邪の神様を追い出す。
先輩と黒髪の乙女は、それぞれ李白の咳による竜巻に飛ばされていたが、奇遇にもたまたま通りかかる。
その後、李白氏の快気祝いに一緒に行く約束をして、喫茶「進々堂」で待ち合わせをする。
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