「ショコラ」の感想
「ショコラ」を観ました。
原題:Chocolat
公開:2000年(アメリカ・イギリス)
上映時間:121分
原作:ジョアン・ハリス『ショコラ』
うーん、まあまあでした。
あんまり好きではないかな。
1959年のフランスの小さな村。四旬節の断食の期間。
敬虔な教徒であるレノ伯爵が、村人に厳しい戒律を守らせていた。
旅する母と娘が、チョコレート店を開店し、村人たちと交流したり悩みを解決したりする話。
保守とリベラル(自由や多様性を重んじる思想)の対立を、単純化して描いている作品。
断食の期間が分からなかった。
「復活祭(日曜日)の46日前の水曜日(灰の水曜日)から復活祭の前日(聖土曜日)までの期間」らしい。
復活祭がらみの日程、むずかしすぎる。
チョコレート店の娘の、イマジナリーペットのカンガルーの存在や意義が、よくわからなかった。
ちょくちょく登場するけど、なんなんでしょうね。
少女のこころの成長を描きたかったのだろうと思うけど。
なんでカンガルーだったんだろう。
そうかわかった、おなかの袋に子供をいれて運ぶ動物だからか。
良い点。
絵本や童話的な雰囲気のある作品。
可愛らしいので、好きな人は好きそう。
チョコレート菓子が、どれも美味しそう。
食べたくなる。
気になった点。
主人公(チョコレート店の母)に感情移入できなかった。
彼女の最終的な目的や悩みがわからず、ぬるっと村にきて開店して、そして物語が進むからだと思いました。
序盤は、主人公たちの説明ではなく、戒律の厳しさや伯爵など村の説明が重視されていた。
チョコレート店の経営状態。
断食の期間だと、たくさん商品をつくっても、売れ残りそう。
終盤で庭のパーティから船のパーティに移る際に、庭のろうそくの火の後始末をしていない点。
もしかして、船火災のフラグだったのかしら。まさかね。
ジプシーのルー(ジョニー・デップ)の登場が遅い。
重要な役なのに、かなり後で登場する。
上映時間が長い。
終盤の結末に至る過程が、後味が良くない。
伯爵が、船への放火の犯人セルジュを村から追い出す。
→伯爵が、チョコレート店に押し入り、商品を食べて眠りこける。
→翌朝、女店主に見つかり、ずっとバチバチだったのに即和解。
いやいや、これでめでたしめでたしはないだろう。
よく言えば童話的だが、無理矢理過ぎる。追い出された男性が可哀想。
作品内では、「女店主のチョコを一口でも食べると即仲良くなる」という魔法があるみたいなので、仕方がないのだけれど。