「ランガスタラム」の感想

「ランガスタラム」を観ました。
公開:2018年(インド)
上映時間:174分

けっこうおもしろかったです。

ランガスタラム村の青年チッティ・バーブは、難聴で、エンジンポンプでの農地灌漑を生業としていた。
村の美女ラーマラクシュミに恋したり、村長の支配から村を解放しようとする兄クマールに協力したりする話。

上映時間が長く様々な要素を含んでいる映画なので、
ついていける人とそうでない人で分かれそう。

良い点。

コテコテのインド映画。
話が陽気で、ダンスシーンもあり、勧善懲悪でわかりやすい。

話の展開がアクロバティック。
たとえば、女性が告白に来て、彼女の告白が聞こえないので女性の顔をひっぱたき、最終的に女性からキスされる。
物語ってそういう展開の仕方でもいいんだ、と思わせてくれる。

インドの神々の要素が登場する。
現地でも根付いた宗教観なのだろうと思う。

カーストの要素が入っている。
インドっぽいと思えた。
「おまえのカーストは何だ!」みたいなセリフがあって、ちょっと驚いた。

良くも悪くも、女性に対する扱いが乱暴な時がある。
告白しに来た女性の顔面をひっぱたくとは思わなかった。
昔のインドでは、あったことなのだと思う。
それを無かったことにしていないのでいいと思った。

良くも悪くも、上映時間が長い。
映画の代金に対して、観客を長時間楽しませるために、こういうふうに上映時間が長くなったのだろうと思っている。

字幕がわかりやすかった。
英語のときとは違う雰囲気を感じる。
訳者がそもそも違うからだろう。

気になった点。

主人公が悪役の方々をがっつり殺す。
気絶させて倒すとかではなく、倒してからトドメをさす。
終盤はちょっと目を背けるような描写もあった。
勧善懲悪から、徳の要素を省いて、懲罰に特化している。

警察が不在。
殺人事件が起きているのに、全然登場しない。
昔のインドの田舎あるあるなのか、盛っているのか。

左下の警告表示が気になる。
タバコやアルコールなどが写ってるときに表示されている。
たぶん法令に基づいた処理なのだろうと思う。

傷口にターメリックを塗って治そうとする点。
これがマジなのか、ギャグなのかがわからかった。
日本で言うと「傷口に唾つけておけば治る」的なものなのかしら。

「金ぴかクイーン」が、初見の日本人にとっては謎な要素。
唐突に登場するので、前提知識がないからか、意味不明。
映画にセクシーな女性を登場させる、いわゆる「テコ入れ」なのだと理解している。
と思ったら、ちょっと違うらしい。でもある意味合ってる。
以下の通りらしい。

インドでは読み書きが出来ない人も多い。
→なので選挙ではシンボルマークで投票できるようになっている
→シンボルマークが「ランタン」に決まった
→それをアピールするために、客寄せでローカル芸能人の金ぴかクイーンを招待した

https://filmarks.com/movies/79663/reviews/159501716