「炎のランナー」の感想

「炎のランナー」を観ました。
原題:Chariots of Fire
公開:1981年(イギリス)
上映時間:124分

ヴァンゲリスの曲を聞けて良かったです。

ユダヤ人のエイブラハムスが、権威主義的で排他的なケンブリッジ大学で葛藤する。
プロテスタントの牧師の家に生まれたエリックが、信仰とスポーツとの間で葛藤する。
実在するその二人のランナーを題材にした映画。

人種差別や宗教観による困難を越えつつ、人生をかけて競争に挑むのは素晴らしいテーマではある。

一方で、分かりやすい盛り上がりが全体的に欠けている。
競争をテーマにしていても、ウマ娘のようなエンタメ性とは対局にある物語。
実在する二人の英国人ランナーを通して在りし日の英国の地域性や宗教あるあるを映し懐古にふける映画、という印象。
たぶん、ケンブリッジ大学やイングランド&スコットランドの地域性の違いやキリスト教プロテスタントなどに精通していると、細かい描写に気づきがあるんだと思います。

白人の男女がたくさん登場し、いつものように、誰が誰だか理解しづらかった。
主役級は分かっても、エリックの妹なのかエイブラハムスの彼女なのかが分からなかった。

「トップをねらえ!」と「アニメ夜話」を見て以来、いつかきっと本作を見ようと思っていた。
理由は、「トップをねらえ!」で田中公平が「炎のランナー」そっくりの音楽の制作を依頼されたエピソードがあるから。
それが、本作の存在を知ったきっかけ。
田中公平氏はそのことをちょっと残念と言うか後悔として心に残っているようだった。
でも、そのオマージュがあるおかげで思いがけない作品の繋がりが生まれ、こうやって私が本作を観たのです。