「怪物」の感想
「怪物」を見ました。
公開:2023年
上映時間:126分
監督:是枝裕和
脚本:坂元裕二
うーん、まあまあでした。
やりたいことはわかった。
でも、もう一度見たい映画かと言われると、もういいかな。
主人公の母親、主人公の担任先生、主人公の3つの視点で描かれる映画。
一つの作品のなかで、シングルマザーやモンスターペアレントやLGBTQ+など複数のテーマを盛り込んでいる。
そのうえで、それぞれ人物のアクションに一応の理由付けの伏線が貼られている点は良くできていたと思う。
伏線の数がすごく多いので、一回見ただけではそれらすべてのつながりはわからないと思いました。
考察が好きな人には、たまらない映画だと思います。
序盤がすごく退屈でした。
安藤サクラのパワーで、なんとか辛うじて保っていると感じました。
いや、保ててなかったかも。
伏線をひたすら張っているだけなので。
伏線や演出としては成功しているにしても、代わりにリアリティが毀損している場面がいくつかあったと感じました。
例えば、先生が謝罪の場面で飴を舐めるシーン。
彼女から「大事なときこそ、肩の力を抜きなよ」と言われて渡された飴を、先生が舐めているのは理解できました。
けれど、大人が謝罪の場面で飴を舐めるかなー?
いくらシングルマザー編で先生を悪役に見せる演出としても、やや無理筋だと感じました。
校長先生が結局どういう位置づけなのか、かなり分かりづらい。
服役中?の旦那との面会での明るい談笑も、謎だった。
校長先生が孫を車で引いてしまったが「嘘」をついて旦那がやったことにした、と周りの人たちから思われているけれど、
実は孫を轢いたのは旦那で、しかも旦那が認知症で、旦那に「嘘」をついて孫が生きていることにしている談笑シーンてことだったりするのかしら?
やっぱり、深読みでしょうね。認知症なんてどこにも情報がなかったし。
やはりシンプルに、校長先生が孫を車で引いてしまったが「嘘」をついて旦那がやったことにした、ということか。
ラストシーンについて。
どうみても、死後の世界のふたりを描いているようにしか見えなかった。
しかし、Wikipediaを確認すると、どうやら違うらしい。
監督の想定では、観客の二割ぐらいが誤読する想定だったらしい。
いや、無理筋だと思う。
廃電車や柵の向こうの線路という要素から、「銀河鉄道の夜」のジョバンニやカムパネルラを連想させる。
先生と母親が廃電車を見つけて覗き込むシーンとかも、死を連想させる。
なので、想定2割は見積もりが甘すぎた。