「成瀬は天下を取りに行く」の感想
「成瀬は天下を取りに行く」をAudibleで聞きました。
作者:宮島未奈
受賞:
第20回『女による女のためのR-18文学賞』大賞、読者賞、友近賞(「ありがとう西武大津店」での受賞)
2024年『本屋大賞』受賞作
他
まあまあおもしろかったです。
風変わりな中学生成瀬あかりが、
閉店が決まった西武大津店に行きローカル番組で見切れたり、
親友の島崎とコンビを組んでM-1グランプリに出場したり、
別の大人の人の話になったり、
別の女子生徒の視点から見た高校生になった成瀬の話になったり、
別の男子生徒の視点から見た成瀬の話になったり、
島崎の東京転勤を知った成瀬の視点の夏祭りの話。
「涼宮ハルヒ」からSF要素を抜いて、滋賀県大津に対する地元愛を注入したような作品の印象。
主人公である成瀬のキャラパワーで話を進めるので、成瀬が好きになった人には評価されそう。
ただし、続編を出すほど読者が成瀬の刺激に慣れてしまって、評価は鈍化しそう。
もともと持っていた本屋大賞に対するイメージは、
『主人公が若い女性で、
自身や家庭やコミュニティに課題を抱えていて、
悪い人が主人公に攻撃をして、
親切な人が主人公に寄り添ってやさしい言葉をかけてくれて、
最終的には主人公が抱えていた課題や困難から解放される。』という感じ。
今まではそういう作品が多かったが、本作はまた違った。
先入観の外側の作品だったので、その点はよかった。
ただし、本屋大賞という名前にしては、あいかわらず女性向け感は強めだと感じました。
受賞歴を調べたところ、『女による女のためのR-18文学賞』大賞が最初の受賞らしい。やはり。
Audibleを使ったのははじめてです。
作業しながら聞いていたので、途中に成人男性視点の話がなぜ存在するのかがよくわからなかったです。
文字を読まない作業中に聞くのであれば、すごく有用だと思いました。