記事一覧 2023
  • 「シン・仮面ライダー」の感想

    2023/10/23 in Blog

    庵野秀明脚本・監督 映画「シン・仮面ライダー」を見ました。 まあ、おもしろかったです。 冒頭の戦闘での血しぶきを見て、近年の仮面ライダーのテレビシリーズとはまったくの別物だなとすぐに理解できた。 映画よりも、テレビシリーズの形式の方が合っているような気がしました。 ゴジラは元々映画だから、シンゴジラも映画でよかった思う。 だけど、仮面ライダーは原作はマンガで映像はテレビシリーズだったので、AmazonやNetflixなどで配信した方がよかったかな。 それに、敵のショッカーを一人づつ倒していく形式 …

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  • 「ガーンズバック変換」の感想

    2023/10/19 in Blog

    陸秋槎(著)「ガーンズバック変換」を読みました。 日本の石川県在住の中国系作家によるSF短編集。 まあ、おもしろかったです。 登場人物たちの会話が適度にありつつ、ストーリーを進めていく形式の物語はおもしろいと思えた。 以下の三つ。 「開かれた世界(オープンワールド)から有限宇宙へ」 「ガーンズバック変換」 「色のない緑」 一方で、異常論文形式の短編や虚構歴史物のような短編は、やはりおもしろいとは思えなかった。 著者がSFや日本文化のことを好きなのを、読んでいて感じる。 あと、知識もすごく豊富そう …

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  • 「車輪の下で」の感想

    2023/10/07 in Blog

    ヘルマン・ヘッセ(著)「車輪の下で」を読みました。 邦訳本によっては、タイトルが「車輪の下」とか「車輪の下に」とかだったりする。 うーん、という感じでした。 読み終えるのにものすごい時間がかかってしまった。 それだけ内容に興味が惹かれなかったということなのかもしれない。 もしも子供の頃に本書を読んでいたら、また違った感想になっていただろう。 強制される学業や無理解な大人たちに対して、思うことが多いだろうから。 ドイツのある町で周囲の大人たちの期待を受けながら勉強漬けにされた少年が、 州試験二位の …

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  • 「白い犬とワルツを」の感想

    2023/09/16 in Blog

    テリー・ケイ(著)「白い犬とワルツを」を読みました。 まあまあでした。 妻を亡くした老人が、ふらりと現れた白い犬と交流したり、たくさんいる子供たちに犬の幻覚を見ているなどと心配されたり、白い犬と一緒にオンボロなトラックに乗って同窓会に行こうとしたりして、最終的に往生する話。 この本を読んだ理由について。 だいぶ昔にこの小説を読んだことがある気がする。 今はもうなくなった行きつけの本屋にて、白い犬の大きな頭と木がオレンジ色の背景に描かれた文庫版の表紙がとても目立っていたことを覚えている。 かなり …

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  • 「十五少年漂流記」の感想

    2023/09/10 in Blog

    ジュール・ヴェルヌ(著)「十五少年漂流記」を読みました。 翻訳は、椎名誠と渡辺葉の親子。 本書は、フランス語原文からの翻訳版らしい。 原題は「二年間の休暇(仏: Deux Ans de Vacances)」。 おもしろかったです。 十五人の少年が船で無人島に漂着し、二年ほど生き延びて、無事帰還する話。 450ページ以上もあり、結構なボリュームだった。 子供向けの冒険小説だから、全訳版であっても短い物語だろうと思っていたので、意外だった。 それに、もっと漂流の帰還が短いと思っていた。 動物や自然や …

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  • 「ライオンのおやつ」の感想

    2023/09/04 in Blog

    小川糸(著)「ライオンのおやつ」を読みました。 泣いた。 まあまあ、おもしろかったです。 何をきっかけに、この本を知ったのだろうか。 たしかYouTubeチャンネルの「ほんタメ」だったような気がする。 それとも「王様のブランチ」だったか? 余命宣告された三十三歳女性が、瀬戸内海が見えるホスピス「ライオンの家」で最後のひと時をしあわせに過ごす話。 ハートフル終活もの。 文量はそれほど多くなく、読みやすいと感じる人も多いと思う。 二十代三十代の若い女性向けに作られた物語の主人公、 ストレスフルな都会 …

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  • 「超新星紀元」の感想

    2023/08/30 in Blog

    劉慈欣(著)「超新星紀元」を読みました。 まあまあ、おもしろかったです。 ただし、オススメ度は三体シリーズの方が高い。 なので、本書を読む前に、先に三体だけ読めばいいと思う。 初の長編作品ということらしい。(厳密には未刊行の他作品があるらしい) 初期作品の時点でこのスケール感やダイナミックさと含蓄があれば、 そりゃ三体シリーズもでき上がるよね。 読んでいて、著者は後半の戦争ゲームを描きたかったのだろうと感じた。 あとがきに、夢でそういうシーンを見て執筆に至った、と書いてあり、やっぱりなと思った。 …

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  • 「火車」の感想

    2023/08/23 in Blog

    宮部みゆき(著)「火車」をよみました。 おもしろかったです。 はじめて読む、宮部作品。 人間の心情描写がうまいなと思いました。男女ともに。 そのため、すごく安定感のある小説に感じた。 直前に新人賞の作品を読んだから、より一層差を感じるのかもしれない。 休職中の刑事が、他人になり変わろうとする女性を捜索する話。 クレジットカードローンをきっかけとする多重債務などをテーマとして扱っている。 今では広く認知されていそうなテーマだが、 三十年ほど前の当時では先進的なテーマだったのかもしれない。 かなり …

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  • 「鯉姫婚姻譚」の感想

    2023/08/18 in Blog

    藍銅ツバメ(著)「鯉姫婚姻譚」を読みました。 日本ファンタジーノベル大賞2021大賞受賞作品。 著者はゲンロン大森望SF創作講座の第4期受講生。 まあ、おもしろかったです。 なんていうかこう、若いのに上手いよねって感じ。 ただし、読み始める前のイメージと実際の中身はかなり違うものでした。 当初は主人公と鯉姫との婚姻の話を想定していたが、 実際は主人公が庭の人魚に「人と人でないものとの婚姻譚」をせがまれる話の連作。 そのため、長編小説という印象はかなり薄い。 どちらかというと民話集みたいな感じ。 …

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  • 「美亜へ贈る真珠」の感想

    2023/08/10 in Blog

    梶尾真治(著)「美亜へ贈る真珠」の感想。 おもしろかったです。 やや古風な感じもしたが、1970年〜80年代の作品もあるので仕方がない。 全体的に男性本位のSF小説という印象。 男性主人公と理想的な美女がセットで登場する作品が多いからだと思う。 「愛」と「時間」をテーマとしたSFなのだと思う。 女性の名前をそのまま題名に入れている作品が多い。 あらすじと短評 美亜へ贈る真珠 評価:まあ 最初に読んだときに、「美亜へ贈る真珠」の最後のシーンを勘違いしていた。 涙だとはわからなかったのです。 だか …

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