記事一覧 2024
  • 「わたしを離さないで」の感想

    2024/06/16 in Blog

    「わたしを離さないで」を読みました。 原題:Never Let Me Go 作者:カズオ・イシグロ 発行:2005年(イギリス) わたしを離さないで|Amazon おもしろかったです。 というよりも興味深い作品だった。 小説というより文学であり、やがて古典になる風格がある。 海外の翻訳本だからより一層そう感じるのかもしれない。単に海外かぶれなのかも。 物語の展開も普段見慣れているものとは違って、なかなか予想できなかった。 少年少女の心の揺れ動きに焦点を当てて、淡々と思い出話が進んでいく。 あとが …

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  • 「パッチギ!」の感想

    2024/06/13 in Blog

    映画「パッチギ!」を観ました。 監督:井筒和幸 公開:2005年 時間:119分 出演:塩谷瞬、沢尻エリカ パッチギ!|Amazon めっちゃおもしろかったです。 名作だと思います。 京都の男子高校生と朝鮮高校の在日朝鮮人の「ロミオとジュリエット」や「ウエスト・サイド・ストーリー」のような作品。 前々から名前は知っていたが「バキ童チャンネル」の影響で観たいと思っていました。 セリフ回しがエッジが効いていた。 しかも京都弁や朝鮮語、それに序盤には長崎弁まで飛び交う。 やっぱ長崎カステラの勝ちばい …

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  • 映画「僕が愛したすべての君へ」と「君を愛したひとりの僕へ」の感想

    2024/06/13 in Blog

    映画「僕が愛したすべての君へ」と「君を愛したひとりの僕へ」を観ました。 公開:2022年 僕が愛したすべての君へ|Amazon 君を愛したひとりの僕へ|Amazon まあまあでした。 原作の本を読んでいたはずだが、細かいところはかなり忘れていた。 各作品の終盤、お互いのシーンの使いまわしをしているのが気になった。 片方の作品だけ観ても分かるようにしているのだと思うが、作品の上映時間を水増ししているようにも思えた。 関連リンク 「僕が愛したすべての君へ」と「君を愛したひとりの僕へ」の感 …

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  • 「私の頭の中の消しゴム」の感想

    2024/06/11 in Blog

    映画「私の頭の中の消しゴム」を観ました。 公開:2004年(韓国) 時間:117分 原作:日本のテレビドラマ『Pure Soul〜君が僕を忘れても〜』(2001年) 私の頭の中の消しゴム|Amazon うーん、という感じ。 記憶喪失ものとしては「アルジャーノンに花束を」や「智代アフター」などの他の作品の方がいい出来だと思う。 主演女優のソン・イェジンが登場したとき「『愛の不時着』の人だ」と思った。 わたし向けの映画では無かった。 イケメンを見てキュンキュンできる成年女性向けの映画という印象。 イ …

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  • 「バトル・ロワイアル」の感想

    2024/06/10 in Blog

    映画「バトル・ロワイアル」を観ました。 監督:深作欣二 公開:2000年 原作:高見広春の同名小説『バトル・ロワイアル』 バトル・ロワイアル|Amazon かなりおもしろかったです。 抽選で選ばれた中学生のクラス全員が国家の命令により殺し合いをする話。 こういう内容のものは好きではないけれど、本作はずっと名前を知ってはいるが見たことがないので視聴した。 序盤の導入部がテキパキ話が進んでよかったと思う。 スポンサーリンク

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  • 「わたしたちの怪獣」の感想

    2024/06/10 in Blog

    「わたしたちの怪獣」を読みました。 作者:久永実木彦 発行:2023年 受賞:2024年 第55回星雲賞 日本短編部門(小説) まあまあおもしろかったです。 安定した品質の作品を生み出しているという印象。 描写はしっかりとして長め。 女子高生が車を運転するシーンが「わたしたちの怪獣」と「夜の安らぎ」で合計2️回あったので、そういうシーンが好きな人かもしれない。 終末ものの作品名がよく登場して、物語もそういう展開になりがちだったので、そういうのが好きな人かもしれない。 収録作品 わたしたちの怪獣 …

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  • 「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」の感想

    2024/06/09 in Blog

    映画「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」を観ました。 機動戦士ガンダムSEED FREEDOM|Amazon おもしろかったです。 本編をほとんど覚えていないけど、楽しめた方かなと思います。 具体的には、ザフトとかオーブとか国や地域や組織名がどういう立ち位置なのかが分からなかったかな。 主人公はうじうじして、シンは情けなく、アスランは強い。 そういえばそういう作品だった気もする。 期待されているものを、期待されたとおりに提供できている作品という印象。 スポンサーリンク

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  • 「猟奇的な彼女」の感想

    2024/06/07 in Blog

    映画「猟奇的な彼女」を観ました。 公開:2001年(韓国) 時間:122分 猟奇的な彼女 (字幕版)|Amazon おもしろかったです。 パソコン通信で連載されたネット小説が原作らしい。 私は強気なヒロインが好きなのかもしれない。 やや長めの上映時間だと感じた。 最初の方で「結局おばさんの用事がお見合いの紹介で、その相手がヒロインなんでしょ」という予想はしていたけれど、途中で色々なことがあり過ぎて忘れてしまっていた。 たとえば脱走兵が夜の遊園地にいるとか、(いい意味で)すごく意味わからん。 あ …

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  • 「ここはすべての夜明けまえ」の感想

    2024/06/06 in Blog

    「ここはすべての夜明けまえ」を読みました。 作者:間宮改衣 発行:2024年 受賞:第11回ハヤカワSFコンテスト特別賞 まあまあでした。 老いない機械の身体を手に入れた女性が、家族史を語る物語。 前半はほとんどがひらがなで「アルジャーノンに花束を」を彷彿とさせる。 後半の機械の女性と生身の男性との恋愛や性交渉が出来ないなどの話はCLAMPの漫画「ちょびっツ」(2000年〜2002年)を連想させる。 けれど、作者は1992年大分出身ということで「ちょびっツ」世代ではないだろう、おそらく。 現代の …

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  • 「地雷グリコ」の感想

    2024/05/27 in Blog

    「地雷グリコ」を読みました。 作者:青崎有吾 発行:2023年 地雷グリコ|Amazon すごくおもしろかったです。 カイジや嘘喰いみたいな騙し合いものを、青春学園ものの枠組みにした作品。 そしてほんのちょっとだけ百合っぽさもある。 非常に軽快な文体で、とてもよみやすい。 ライトノベル的でもある。かつてはライトノベルの賞にも応募していたらしい。 連作短編という形式も、読みやすさに寄与している。 主人公たちがさまざまなゲームに挑んでいくが、どれもおもしろかった。 適宜わかりやすい図表が挿入されてい …

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