「人間たちの話」の感想
柞刈湯葉(著)「人間たちの話」を読みました。
著者の初のSF短編集。
おもしろかったです。
とくに、「人間たちの話」と「宇宙ラーメン重油味」あたりが良かったかな。
カクヨムのコンテストの受賞作の「横浜駅SF」はすぐに読むのをやめちゃったので、この本を読み切れるか少し心配だった。
けれど、心配無用だった。
特殊な社会環境の中での、二人の人物の会話劇という形式の作品が多いような気がする。
「冬の時代」とか「たのしい超監視社会」とか。「横浜駅SF」も特殊環境ではある。
あとがきに、大学時代に友人と冬山に登った経験があると書かれているので、もしかしたらそういう経験が作品に影響を与えている説はあるかもしれない。
個人的には、そういう形式ではない作品の方が惹かれたのかも。
収録作品
- 冬の時代
氷に覆われた日本を、二人の若者が歩く話。 - たのしい超監視社会
ジョージ・オーウェルの「1984」のパスティーシュ小説。
まるでSNSのような相互監視社会での、二人の若者の話。 - 人間たちの話
宇宙生命とのファーストコンタクトは会議による認定だろうという仮説のもと作られた話。 - 宇宙ラーメン重油味
「消化管がるやつは全員客」をモットーにした宇宙ラーメン屋の話。 - 記念日
ある日自分の部屋に巨大な岩がある話。マグリットの「記念日」という絵画。 - No Reaction
透明人間の少年が、気になっているマキノという中学生女子を、四十代無職性犯罪者から守る話。
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