「復活の日」の感想
小松 左京(著)「復活の日」を読みました。
ウイルス兵器と核兵器による人類滅亡を描く。
以前に読んだ「日本アパッチ族」とほぼ同時期の書き下ろし長編作品。
まあおもしろかったです。
日本のSF小説のレベルを引き上げたであろう作品だと感じました。
コロナ禍を経験した現代人にとっては、発表当時とはまた違った現実味を帯びた作品に感じられるだろう。
ただし、専門的で高度な描写が多くある反面、途中で冗長さを感じるところもありました、「日本アパッチ族」のときも同じことを書いていますが。
読了までに、結構な時間がかかってしまった。
それでも、終盤の皮肉にも感じる結末は、おもしろみを感じた。
作品から感じる悲壮感というか、人類なりに頑張ったけど結局駄目だった感は、劉慈欣の作品と通ずるものがある。
きっと小松左京作品が、劉慈欣作品に影響を与えているのだろう。
たとえば、本作に登場する米国とソ連のARS(自動報復装置)は、「老神介護」の中の「白亜紀往事」に出てくる兵器に似ているし。
まぁ「抑止力」をテーマとした作品なら、似たような兵器やシステムが出てくるのは、当然かもしれないけれど。
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