「武士の家計簿」の感想
磯田 道史(著)「武士の家計簿」を読みました。
加賀藩御算用者だった猪山家の記録をもとに、幕末維新の生活をみる。
おもしろかったです。
最近小説ばかり読んでいましたが、
実際の人間の生き様を垣間見られるこういう本こそ読むべきだなと思いました。
備忘録的箇条書き
- 武士は算術を賤しいものと考える傾向があり、算術に熱心ではなかった。
- 加賀前田家は算術を非常に大切にしていた。
- 武士の給禄は、現在の職務内容ではなく、過去の実績によって禄高が決まっていた
- 武士の身分費用や交際費の高さのため多額の借金があり、その解消に苦労した
- 御算用者の家系であるため、子供の教育に力をいれていた
- 明治以降、官員として出仕できた士族と、できなかった士族とで年収に大きな差ができた
とくに、あとがきにある一文が心に残る。
「今いる組織の外に出ても、必要とされる技術や能力を持っているか」が人の死活をわける。(p218)
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