「日本SFの臨界点 石黒達昌 冬至草/雪女」の感想
石黒 達昌(著)伴名 練(編集)「日本SFの臨界点 石黒達昌 冬至草/雪女」を読みました。
おもしろい作品もありました。重厚な内容がおおいです。
とくによかったのは「希望ホヤ」、次に「冬至草」です。
「雪女」は以前に読んだことがあります。
収録作品
- 希望ホヤ
- 冬至草
- 王様はどのようにして不幸になっていったのか?
- アブサルティに関する評伝
- 或る一日
- ALICE
- 雪女
- 平成3年5月2日、後天性免疫不全症候群にて急逝された明寺伸彦博士、並びに、
あらすじと短評
希望ホヤ
弁護士のダンが、悪性腫瘍のため余命半年の娘のために、医学を学ぶが解決策を見いだせず、娘の最期の希望でとある島に訪れる。
その島のレストランで、腫瘍をもつ希望ホヤの存在を知り、その研究に挑む。
娘の命と海洋生物の存亡の話。
評価:とてもおもしろかった
冬至草
人の血液を養分とする冬至草をめぐる、おじさんたちと科学の話。
評価:まあまあ
王様はどのようにして不幸になっていったのか?
寓話調のお話。
合理的な判断のもと国を豊かにし大きくした王様と、
その環境に甘んじ非合理的になってしまった国民との話。
評価:うーん
アブサルティに関する評伝
先端研究における不正を題材としている。
科学の真実に対する直感をもつアブサルティが、実験の結果に対し不正をする話。
評価:なかなかいい
或る一日
おそらく原子力事故によって、放射能汚染された地域での小児医療の現場を描いた話。
他の作品に比べて、残酷な表現が多く、死の濃度が高い。
読んでいる最中は、とても息苦しさを感じるほどでした。
評価:よんでいてくるしい
ALICE
多重人格犯罪者と心理療法の話?
AliceやaliceやMikaやSudなどの人名がとにかく多く、途中から話の内容がわからなくなった。
評価:うーん
雪女
すごくすき。
平成3年5月2日、後天性免疫不全症候群にて急逝された明寺伸彦博士、並びに、
ハネネズミのの生態を研究するおじさんたちの話。
横書きの論文風スタイル。
トキのニュースをみて、書き始めたらしい。
そのため、ネズミにハネが生えているとのこと。
評価:まあまあ
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