「ザリガニの鳴くところ」の感想
ディーリア・オーエンズ (著), 友廣純 (翻訳)「ザリガニの鳴くところ」を読みました。
面白かったです。
「2021年本屋大賞 翻訳小説部門 第1位」ということで、
翻訳書の小説を読む経験はほとんどありませんでしたが、挑戦してみました。
本書は、湿地の少女の人生のお話。
幼少期に家族に見捨てられ、裏切りを恐れ、
支援者から生きる術を学び、差別と偏見に耐え、
少年から文字と恋を学び、裏切られ、
青年から愛を得ようとし…
結末へ
著者の動物学者としての知識や幼い頃の経験に基づく豊富な自然描写が特徴的でした。
その描写に織り交ぜられる隠喩――子を捨てる母狐、傷ついた仲間を襲う七面鳥、偽りの愛のメッセージをおくるホタル、交尾相手を食べる雌カマキリなど。
ここまで湿地に特化した作品を書く人、日本人にはほとんどいなさそう。
ですので、日本在住であろうとも、海外作品に積極的に触れることでその国の文化や考え方などを知るのは大切だなと思いました。
意外と法廷パートが長い点が印象に残りました。
湿地の描写が多いのは、著者の経歴から理解ができます。
しかし法廷の描写が多いのは、アメリカ出身だからなのでしょうか?
勝手ながら、アメリカといえば裁判のイメージがありますし。
他のアメリカ文学を読んでみると、わかるかも。
これが小説第一作目というのは、すごいですね。
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