「星を追う子ども」の感想
アニメ映画「星を追う子ども」を見ました。
監督は新海誠。
おもしろくなかったです。
なぜこんなにもジブリに寄せてしまったのだろうか。
それとも、これが日本のアニメ映画の王道だと思ってしまっていたのだろうか。
キャラデザも失敗していたような印象。
主人公少女は、「となりのトトロ」のサツキのような見た目と所作、とくに走り方。
先生は、「ラピュタ」のムスカのよう。しかも、終盤目が見えなくなる。
登場する小動物は、「ナウシカ」のキツネリスみたい。
シンは、「もののけ姫」のアシタカというより「シュナの旅」のシュナっぽい。
アガルタの世界が「シュナの旅」のように荒廃しているから、なおさらそう感じる。
登場するクラヴィスという石は「ラピュタ」の飛行石。
意図的にそうしているとわかるが、それにしてもジブリ的な要素が多すぎる。
それに、映画の大筋が判明するまでが長過ぎる。
アスナとシュンとの交友を描く間に、30分以上経過してしまっている。
しかもシュンの出番は一瞬で終わって、大半は先生との旅になってしまう。
結果、話が散らかって感じる要因になっている。
ではどうすればいいかというと、
いっそ映画の冒頭に『古事記』の黄泉の国の授業シーンを持ってきていれば、主題がわかりやすくてよいと思う。
今までよりも子供向けの映画に挑戦した結果なのだろうか。
制作順は「秒速5センチメートル」→本作→「言の葉の庭」か。
いやー「言の葉の庭」の路線に戻ってきてよかった。
ただし、本作のようなファンタジー路線が封鎖されてしまったのは、作品の幅が狭くなりそう。
それは、制作側としてはちょっとつらいだろな。
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