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「日本SFの臨界点[恋愛篇] 死んだ恋人からの手紙」の感想
2021/10/04 in Blog
伴名 練 (編集)「日本SFの臨界点[恋愛篇] 死んだ恋人からの手紙」を読みました。 本書は、SFと恋愛要素を含む短編集のアンソロジー。全9作品。巻末に、SF入門ガイドも併録。 一部、家族愛をテーマとするものも含む。 もしかしたら、[恋愛篇]と書いてあるものの、同時期に発売された[怪奇篇]に当てはまらないものが収録されているくらいの認識でいいかもしれない。 よい作品が収録されているので、その点で評価が別れてほしくはない、という思いはある。 そんな読後感。 「日本SFの臨界点[怪奇篇] ちまみれ家 …
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「2010年代SF傑作選2」の感想
2021/09/30 in Blog
大森 望 (編集),伴名 練 (編集)「2010年代SF傑作選2」を読みました。 「2010年代SF傑作選」は 全2巻。 2巻目は、新人勢を収録しているとのこと。 収録作品 小川 哲「バック・イン・ザ・デイズ」 宮内悠介「スペース金融道」 三方行成「流れよわが涙、と孔明は言った」 酉島伝法「環刑錮」 高山羽根子「うどん キツネつきの」 柴田勝家「雲南省スー族におけるVR技術の使用例」 藤井太洋「従卒トム」 野崎まど「第五の地平」 倉田タカシ「トーキョーを食べて育った」 小田雅久仁「11階」 あら …
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「2010年代SF傑作選1」の感想
2021/09/29 in Blog
大森 望 (編集),伴名 練 (編集)「2010年代SF傑作選1」を読みました。 「2010年代SF傑作選」は、全2巻。 この1巻目にはベテラン勢を、2巻目には新人勢を収録しているとのこと。 わたしはSF初心者なので、読んだことがある作家さんは長谷敏司さんだけでした。 デビュー作に『戦略拠点32098 楽園』との記載があり、あーそういえば、と思い出せました。 収録一覧 小川一水「アリスマ王の愛した魔物」 上田早夕里「滑車の地」 田中啓文「怪獣惑星キンゴジ」 仁木 稔「ミーチャ・ベリャーエフの子狐 …
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「小説家という職業」の感想
2021/09/22 in Blog
森 博嗣 (著)「小説家という職業」を読みました。 著者自身の小説家になった経緯や、出版業界の現状や問題点と未来について書かれていました。 ちなみに、小説の書き方について書かれた本ではありません。 小説家という職業を、芸術家ではなく職人として、 あくまでビジネスとして著者が認識している様子が印象的でした。 「小説家になりたい」というだけの『夢』を見る人に、本書は『現実』を見せてくれます。 たしかに、「なりたい」ではなく「なって、こうしていきたい」という思いがないと、デビューできても第一作目で燃え …
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「ザリガニの鳴くところ」の感想
2021/09/16 in Blog
ディーリア・オーエンズ (著), 友廣純 (翻訳)「ザリガニの鳴くところ」を読みました。 面白かったです。 「2021年本屋大賞 翻訳小説部門 第1位」ということで、 翻訳書の小説を読む経験はほとんどありませんでしたが、挑戦してみました。 本書は、湿地の少女の人生のお話。 幼少期に家族に見捨てられ、裏切りを恐れ、 支援者から生きる術を学び、差別と偏見に耐え、 少年から文字と恋を学び、裏切られ、 青年から愛を得ようとし… 結末へ 著者の動物学者としての知識や幼い頃の経験に基づく豊富な …
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「マナーはいらない 小説の書きかた講座」の感想
2021/09/15 in Blog
三浦 しをん (著)「マナーはいらない 小説の書きかた講座」を読みました。 図書館で、たまたま目にとまったので、借りてみました。 ざっくりと、以下のような内容。 著者の小説を創作する際の心構え 新人賞の選考の際に候補作を読んで感じた改善点やそれに対するアドバイス 本書のタイトルと中身には、若干の乖離を感じました。 それもそのはず、本書は「WebマガジンCobalt」で連載した「小説を書くためのプチアドバイス」を一冊にまとめたもの。 もとの「小説を書くためのプチアドバイス」のほうが、本書のタイトル …
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「リィンCARNATION」と「SOLAR POWER」の思い出
2021/09/14 in Blog
しんがぎん(著)「リィンCARNATION」と「SOLAR POWER」を、久しぶりに読みました。 どちらも単行本未収録の作品です。 週刊少年ジャンプ特別編集増刊(赤マルジャンプ)に掲載された読み切り作品です。 その雑誌切り抜きをいまだに持っており、 時間をおいてときどき読み返しすというわけです。 ――雑誌の紙質の問題のため劣化が避けられません…電子書籍化してほしいです。 私は、しんがぎん先生の連載作品を読んだことがありません。 しかし、当時の赤マルジャンプを見て「これは、すごい」 …