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「噓と正典」の感想

小川 哲(著)「噓と正典」を読みました。
SFとSFっぽくないものが混ざった短編集。
一部の作品は、まあまあおもしろかったです。

とくに「ひとすじの光」と「ムジカ・ムンダーナ」がよかったです。
上記の2つどちらも「父が遺した何かをきっかけに、息子が再起」する話、という印象。
思い返せば「ユートロニカのこちら側」の第二話の「バック・イン・ザ・デイズ」も、「父が遺した何か」系の話だったとおもう。
著者がそういう形式の話が好きなのかしら?
それとも、実体験に基づく話なのだろうか。
話のパターンがあまりに似すぎているように感じました。(悪いとは言っていない)

小川 哲「バック・イン・ザ・デイズ」 | 「2010年代SF傑作選2」の感想

ちなみに、本書は第162回直木賞の候補作だったらしい。
直木賞の選評を見ると、
「ひとすじの光」と「ムジカ・ムンダーナ」がよかったという意見は、北方謙三氏と同じみたい。

第162回 選評の概要 | 直木賞のすべて


あらすじと短評

魔術師

マジシャンの父の最後のマジックは、はたしてマジックなのかそれとも本当に「タイムマシン」なのか。

評価:まあまあ

ひとすじの光

学者だった父の遺したサラブレッドと原稿をきっかけに、作家の息子が再起する話。
スペシャルウィークの血統を辿り、自分との境遇と重ねる。
スペシャルウィークやトウカイテイオーなどの知っているサラブレッドの名前が出てきたのもよかった。

評価:よい

時の扉

王に「時の扉」について奏上する男の話。
テッド・チャンの「商人と錬金術師の門」のような雰囲気の作品。

「息吹」の感想

評価:うーん

ムジカ・ムンダーナ

作曲家だった父の遺したカセットテープの楽曲をきっかけに、音楽家の道を断念した息子が再起する話。
音楽が通貨として扱われる島について描かれる。

評価:よい

最後の不良

「流行をやめよう」と否定するMLS社が幅を利かせる社会の中での、特攻服に身を包むカルチャー誌の記者だった男の話。
他の短編は掲載誌が「SFマガジン」であるのに対して、この短編は「Pen」。
そのため、こういうファッションに関するテーマを扱っているのかもしれないなー、とおもいました。

評価:うーん

噓と正典

CIAの工作員が、時空間通信を使って、共産主義の消滅を図る話。
本書描き下ろし。

評価:まあまあ


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